筒井則行展より / 木皿と油の話し

icura / 筒井 則行 
〜オイル仕上げの木の小ものたち〜

2012. 10. 20/土 ー 10. 31/水


開催中の作品展から、
代表作の木のお皿と油についてのお話…。

筒井展_皿-1

毎日の食卓で使っていただきたい、シンプルなサクラの丸皿
サクラは、花びらのピンクの色素を幹や枝に秘めていて、
草木染めの染料は、枝を煮出してつくられるほど。
だから、こんなにやさしいピンクかがった材色なのです。

このサクラ材は、経年による材色の変化があることも特徴です。
やさしいピンクがかった色から、落ち着いた暖かみのある褐色へ。
使い手が “器を育てる” 楽しさも感じられます。

筒井展_皿-3

手づくり感を生かして彫り目を残したお皿(左)と
ただただシンプルで滑らかに仕上げたお皿(右)。
経年変化で、仕上げの違いは一層はっきりとしていきます。
どちらがお好みですか?

直径125mmの小皿から260mmのディナー皿サイズまであります。

筒井展_皿-4

十二ヵ月の本日のまかないランチは、このお皿を使って…。
有り合わせ食材でのワンディッシュプレートでも、
ゆったり気分の素敵なランチ(?)に。

バケットやサラダには、オリーブオイルをたっぷりかけました。
そう、油ものにももちろんどうぞ。
パスタにも揚げ物にも、どんどん使っていただきたいのです。

筒井展_皿-5

いただいた後は、お皿に残ったオイルを
敢えてキッチンペーパーで塗りのばしました。
そして、食器用洗剤とスポンジで洗い流し、
乾いた布で拭いた後は、そのまましばらくキッチンに放置。
何かのついでに棚へ片付けるくらいの気持ちで…。

筒井展_皿-2

お皿は、角皿、だ円の豆皿
いくつかの異なる樹種を合わせたつなぎ皿など。
樹種の違いもオイル仕上げならではの
しっとりとした質感で楽しめます。



ところで、これらのお皿の仕上げオイルには、
クルミの天然オイルが使われています。
どうして漆や蜜蝋、ウレタン塗装など、他の仕上げではなく
クルミオイルが使われているのでしょうか。

表面のみをコーティングする仕上げは、
使用の擦れにより剥げてきますので、いつかメンテナンスが必要です。
その点オイルは木に浸透していきますので、
お皿に盛られた食品の油分が付くことが、
日々自然とメンテナンスになるのです。
ですから、こんな風に油分の有るものにも遠慮なく使っていただき、
ごく普通にサッと洗っていただくだけで良いのです。

一般的に仕上げに使われるオイルは他にも有りますが、
天然オイルの安全性、仕上りの質感、
臭いや入手の容易さも考慮して
クルミオイルを選択されています。
料理によく使われるオリーブオイルは
クルミオイルと成分がよく似ているそうで、
油分がお皿に付いてくれることは大変好ましい
ということも使い手には嬉しい話ですね。

「お料理にも使える」ではなく、
「お料理に使ってほしい」お皿。
年月が経つほどオイルが浸透して、艶も増していきますよ。
気楽にどんどん使ってください。
それが一番のメンテナンスなのですから。