『くるみのマイスプーンの会』終了しました

『木工家・湯山良史さんとつくる
 くるみのマイスプーンの会』


作品展2日目の11月29日に開催しました。

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制作するための道具は、“肥後守(ひごのかみ)”とヤスリ類。
とてもシンプルなもの作りの方法です。

“肥後守”は小さな小刀。
木工作家の湯山良史さんが通った小学校では
この肥後守が学校で使う小刀としての指定品で、
全児童が持っているものだったとか。
みなさんの学校ではどうでしたか?

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参加者さまの中にも
小刀を手に持つのは初めてという方がチラホラと。
今回のワークショップでの最初の作業は、
“肥後守で鉛筆を削ってみる”でした。

店主は、鉛筆や竹とんぼなどを削るために
小刀を使った世代。
若い方たちほど初体験率が高いですね。
今の子供たちは…と考えると、
このようなワークショップの意味も深いと感じます。

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みなさん上手に鉛筆が削れたところで
スプーンの部位の名称を教えてもらい、
スプーン制作の始まり。

柄(持つ部分)の形は自由です。
イメージを膨らませながら、削るラインを描きます。

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鉛筆はスムーズに削れたけれど、
スプーンはそうはいきません。
材料のクルミはこれでも削りやすい木なんですが…。

加工しやすいけれど、充分な強度としなりが有る木。
今回はこの理由でクルミが選ばれています。

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肥後守で削り、各種のヤスリ類で整えた後、
紙ヤスリで更に磨いていきます。
この磨く作業もとても大切。
口当たり、木の毛羽立ち、
さまざまな出来栄えに影響してきます。

最後にクルミオイルを塗って完成です。
どうですか?
とてもきれいなプロポーションですよね。




以前からお話ししているように、
湯山良史さんは、岐阜県が取り組む“木育”事業で
講師として活動されています。

ご存知の方も多いでしょうが、
全国の中で豊かな森林を保有する県では、
“森林環境税”や“森づくり税”などを導入しています。
森林やそれにまつわる環境維持のための
財源確保を目的としていますが、
岐阜県では、森と木に関わるスペシャリストを育成する
森林分文化アカデミーの設立・運営の財源にもなっています。
そして、木や森林と関わる心を育てるための生涯教育として
木育事業も行なわれています。

“木の国”日本に生きる大人として、
木と暮らすことを如何に次世代に繋げていくか…。
このワークショップを開催したことが少しでも
想いを新たにする切っ掛けにしていただけたならば、
とても意義深い会だったなと思えます。