【予告】後藤耕一 展・ー陶芸家として生きた証しー
後藤耕一 展
ー 陶芸家として生きた証し ー
2016.10.15/sat ー 25/tue

切っ掛けは、1つのコーヒーカップ。
10年前に窯を焚くことから離れたはずだった
陶芸家の後藤耕一さんと再会を果たし、
十二ヵ月で過去に例の無い
深い意味をもつ作品展を開催することとなった。
『生きているうちに…回顧展』
この作品展を彼はそう言い切った。
2014年11月、彼は余命3ヶ月の診断を受けた。
進行性の癌は既に脳へと転移していた。
それでも人生はわからないもの。
2016年現在、時に闘い、時に共存しながら、
「幸福」を実感し「元気」に暮らしている。(後藤氏の言葉より)
再開後の彼は、いつも笑顔で前向きだ。
再び授かった人生を愛しみ、
愉しんでいることが伝わってくる。
蓋をした窯も手入れをし、近く火を焼べる予定だ。
陶芸家としての人生が再び始まっている。
今回は、作家が保管していた1989〜2003年の作品を展示し、
この先も彼の器を愛し生かしてくれる方々へと繋げる。
そしてまた、彼の陶芸家としての人生を
共に笑顔で振りかえる場所となることを願って…。
■作家在廊日:10.15/sat、16/sun、25/tue
できる限り在廊したいとのご意志により、追加の予定あり。
在廊日時の追加・詳細は、
blog,Facebook,Instagramにて情報を更新していきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追記《この作品展を開催するにあたって》
思いつくままに書きますので少し長くなりますが、
ご清覧いただけましたら幸いです。
1996年の開業当初からお付き合いのはじまった後藤耕一さん。
当時の彼や作品をご存じなくても、
“Cosmic blue”と名付けられたカップ&ソーサーを
記憶してくださっている方は多いでしょう。
十二ヵ月のカフェでずっと使い続けられてきましたから。
個性があり、斬新さを失わないこのカップは、
20年間いつの時代でも多くの方の目を惹き付けてきました。
今夏に後藤さんと再会を果たし、急遽この作品展の開催を決定しました。
長年に亘り、密かに彼の陶芸家復帰と作品入手を待ち望んでくださっていた方々、
そして、同時代を共にされた作家仲間のみなさまは、
このリリースの内容にさぞ驚かれたことでしょう。
「いつか復帰することがあったらいつでも声掛けてね。」
10年と少し前、彼に最後にお会いした際にはこう言ったのを覚えています。
まさか再会と復帰がこんなお話しから始まるとは、
想像さえもしていませんでした。
再びのご縁は、私が使っている後藤さんのマグカップが運んでくれました。
画像と一緒に投稿したFacebookの記事が、後藤さんの目に届いたのです。
「自分の作品が現役で生きていた!本当に本当にありがとうございます。」
そうメッセージをくださった後に、彼の現状を知ることとなりました。
当初は驚きましたし、言葉を失いました。
しかし病状を持ち直して新しく生まれた人生観で、
「幸せ」「元気」と言いながら暮らしていらっしゃる前向きさが伝わるうちに、
私たちは自然と一つの提案をしようという思いに行き着きました。
「また窯を焚いて作品を並べようよ。」
これが、違うカタチで実現されることとなったのです。
夏の盛りのある日、
後藤さんは新品のまま保管していたカップ&ソーサーを2客、
手土産に持って来てくれました。
「僕が居なくなってもここで使って欲しくて。」
そう言うと、本当に言いたかったお話を始めました。
「作品をたくさん保管しているんだ。作品展ができるくらいにね。
ここに置いてくれないかな。」…と。
余生を意識することとなり、
陶芸家として自分の作品がこの世で誰かに愛され、使われ、
残る(遺る)、生き続けることを願う気持ちが芽生えたのでしょう。
その保管作品の内容を聞いて即座に決まりました。
「それならば、その作品で個展をやろうよ!」
後日に作品のピックアップに訪ねた後藤さんの工房には、
たくさんの作品が眠っていました。
見覚えのある器から見たことの無い作風まで、
充分に作品展が可能な質と量で。
実は、彼は陶芸を始めた頃から自分の主な作風・作品を
制作年を明記して記録として手元にコレクションしていたのです。
「宝物感覚で…」という保管作品の内容は、
まさに陶芸家としての歩みそのもの。
これら全てを手放してもいいと言いました。
「今回の作品展は、生前にやる『回顧展』と僕は思ってるよ。」
「治療の効果が上がり、こうしてまだまだ時間ができて、
人生を自分で考えながら生きれることは、むしろ良いことだと思ってるんだ。」
そう言って、後藤さんが名付けたこの作品展のタイトルは
『生きているうちに…回顧展』。
これは、陶芸家として生きた証しを
もう一度作品を世に出すことで遺したいのだと受け止めています。
こうして遣り取りを続けている私たちは、
不思議なほどにいつもの作品展と同様に
「素敵な作品を多くの方にご覧いただきたい」
という想いで占められています。
本当に会うたび笑顔で冗談が続く私たちの会話のように、
たくさんの人と楽しく作品を観覧できる作品展になると思っていますし、
また窯を焚くことを始められた後藤さんの
復帰第2回目、3回目の作品展も一緒に視野に入れていますから。
後藤さんの想いや言葉は、作品展までの期間を使って
順番にお伝えできればと思っています。
この記事やFacebook、Instabramでの関連投稿を
シェア&リポストしていただけることを歓迎いたします。
会期中は、懐かしいお顔にもたくさん会えることを願っています。
笑顔でたくさんの方にご高覧いただけますように…。
十二ヵ月 店主拝
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追記〈2016.10.19〉
在廊日が追加になりました。
20日〜25日(最終日)まで作家在廊予定です。
時間は、10:30〜11:00頃より夕方まで。
ー 陶芸家として生きた証し ー
2016.10.15/sat ー 25/tue

切っ掛けは、1つのコーヒーカップ。
10年前に窯を焚くことから離れたはずだった
陶芸家の後藤耕一さんと再会を果たし、
十二ヵ月で過去に例の無い
深い意味をもつ作品展を開催することとなった。
『生きているうちに…回顧展』
この作品展を彼はそう言い切った。
2014年11月、彼は余命3ヶ月の診断を受けた。
進行性の癌は既に脳へと転移していた。
それでも人生はわからないもの。
2016年現在、時に闘い、時に共存しながら、
「幸福」を実感し「元気」に暮らしている。(後藤氏の言葉より)
再開後の彼は、いつも笑顔で前向きだ。
再び授かった人生を愛しみ、
愉しんでいることが伝わってくる。
蓋をした窯も手入れをし、近く火を焼べる予定だ。
陶芸家としての人生が再び始まっている。
今回は、作家が保管していた1989〜2003年の作品を展示し、
この先も彼の器を愛し生かしてくれる方々へと繋げる。
そしてまた、彼の陶芸家としての人生を
共に笑顔で振りかえる場所となることを願って…。
■作家在廊日:10.15/sat、16/sun、25/tue
できる限り在廊したいとのご意志により、追加の予定あり。
在廊日時の追加・詳細は、
blog,Facebook,Instagramにて情報を更新していきます。
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追記《この作品展を開催するにあたって》
思いつくままに書きますので少し長くなりますが、
ご清覧いただけましたら幸いです。
1996年の開業当初からお付き合いのはじまった後藤耕一さん。
当時の彼や作品をご存じなくても、
“Cosmic blue”と名付けられたカップ&ソーサーを
記憶してくださっている方は多いでしょう。
十二ヵ月のカフェでずっと使い続けられてきましたから。
個性があり、斬新さを失わないこのカップは、
20年間いつの時代でも多くの方の目を惹き付けてきました。
今夏に後藤さんと再会を果たし、急遽この作品展の開催を決定しました。
長年に亘り、密かに彼の陶芸家復帰と作品入手を待ち望んでくださっていた方々、
そして、同時代を共にされた作家仲間のみなさまは、
このリリースの内容にさぞ驚かれたことでしょう。
「いつか復帰することがあったらいつでも声掛けてね。」
10年と少し前、彼に最後にお会いした際にはこう言ったのを覚えています。
まさか再会と復帰がこんなお話しから始まるとは、
想像さえもしていませんでした。
再びのご縁は、私が使っている後藤さんのマグカップが運んでくれました。
画像と一緒に投稿したFacebookの記事が、後藤さんの目に届いたのです。
「自分の作品が現役で生きていた!本当に本当にありがとうございます。」
そうメッセージをくださった後に、彼の現状を知ることとなりました。
当初は驚きましたし、言葉を失いました。
しかし病状を持ち直して新しく生まれた人生観で、
「幸せ」「元気」と言いながら暮らしていらっしゃる前向きさが伝わるうちに、
私たちは自然と一つの提案をしようという思いに行き着きました。
「また窯を焚いて作品を並べようよ。」
これが、違うカタチで実現されることとなったのです。
夏の盛りのある日、
後藤さんは新品のまま保管していたカップ&ソーサーを2客、
手土産に持って来てくれました。
「僕が居なくなってもここで使って欲しくて。」
そう言うと、本当に言いたかったお話を始めました。
「作品をたくさん保管しているんだ。作品展ができるくらいにね。
ここに置いてくれないかな。」…と。
余生を意識することとなり、
陶芸家として自分の作品がこの世で誰かに愛され、使われ、
残る(遺る)、生き続けることを願う気持ちが芽生えたのでしょう。
その保管作品の内容を聞いて即座に決まりました。
「それならば、その作品で個展をやろうよ!」
後日に作品のピックアップに訪ねた後藤さんの工房には、
たくさんの作品が眠っていました。
見覚えのある器から見たことの無い作風まで、
充分に作品展が可能な質と量で。
実は、彼は陶芸を始めた頃から自分の主な作風・作品を
制作年を明記して記録として手元にコレクションしていたのです。
「宝物感覚で…」という保管作品の内容は、
まさに陶芸家としての歩みそのもの。
これら全てを手放してもいいと言いました。
「今回の作品展は、生前にやる『回顧展』と僕は思ってるよ。」
「治療の効果が上がり、こうしてまだまだ時間ができて、
人生を自分で考えながら生きれることは、むしろ良いことだと思ってるんだ。」
そう言って、後藤さんが名付けたこの作品展のタイトルは
『生きているうちに…回顧展』。
これは、陶芸家として生きた証しを
もう一度作品を世に出すことで遺したいのだと受け止めています。
こうして遣り取りを続けている私たちは、
不思議なほどにいつもの作品展と同様に
「素敵な作品を多くの方にご覧いただきたい」
という想いで占められています。
本当に会うたび笑顔で冗談が続く私たちの会話のように、
たくさんの人と楽しく作品を観覧できる作品展になると思っていますし、
また窯を焚くことを始められた後藤さんの
復帰第2回目、3回目の作品展も一緒に視野に入れていますから。
後藤さんの想いや言葉は、作品展までの期間を使って
順番にお伝えできればと思っています。
この記事やFacebook、Instabramでの関連投稿を
シェア&リポストしていただけることを歓迎いたします。
会期中は、懐かしいお顔にもたくさん会えることを願っています。
笑顔でたくさんの方にご高覧いただけますように…。
十二ヵ月 店主拝
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
追記〈2016.10.19〉
在廊日が追加になりました。
20日〜25日(最終日)まで作家在廊予定です。
時間は、10:30〜11:00頃より夕方まで。
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