銅のドリップポットを育てる 〜十二ヵ月の記録_1

たびたびご紹介してきましたが、
十二ヵ月で毎日コーヒーを淹れているドリップポットは、
金属工芸作家・水野正美さんにつくっていただいた
銅の打ち出しによるものです。

blog : 水野さんのドリップポット 2011.04.21

1枚の銅板をコツコツと打ち出した証の槌目。
手仕事ならではの優しさと美しさを持つポットは、
私たちの愛道具です。

使用を始めてから1日も欠かすこと無く使い続けてきたポット。
それなりに灼き色も育ち、貫禄も出ていたのですが、
約7年経ったある日に“育て直し”を決心しました。

湯の垂れ痕などによる色ムラが起きていたことも事実ですが、
実際には然程気にするものではありませんでした。
1番の目的は、これまでの経験で得た
道具との上手な付き合い方と実際の変化を
皆さまにも分かり易く記録に残したかったから。

これは、十二ヵ月のドリップポットを
リスタート”から育てていく記録です。


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【リスタート前】2013.04
ドリップポット_リスタート前

新品から7年間使用していた姿です。
銅ならではの赤〜薄褐色の灼き色に変化していますが、
湯の垂れ痕などが濃い褐色の色ムラになっています。

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【リスタート1日目】2013.04.18
ドリップポットリスタート_1日目_1

リフレッシュされ、ピカピカの新顔さんで戻ってきたポット。
新品の10円硬貨を想像してください。
ほのかにピンクがかった色合い、これが、銅の本来の色です。

ドリップポットリスタート_1日目_2

槌目の凹凸の凹んだ部分に若干の色灼けが残っていますが、
ほぼ新品同様の色に戻りました。
画像に有りませんが、内部も同様になって戻ってきました。

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【リスタートから1週間後】2013.04.25
ドリップポットリスタート_1週間_1

ほんのりと赤味が出てきました。
この間に行なったことは、水を入れて直火にかけたのが2〜3回。
それ以外は、1杯のコーヒーを淹れる毎に
やかんで沸かした湯を移して注いでいます。
繰り返し熱湯を入れるだけでも銅の温度は変化するので、
色灼けは充分に起こるということです。

ドリップポットリスタート_1週間_2

熱湯を入れて蓋をするので、内部はより灼けています。
すでにかなり濃い褐色に変化している部分も見られます。

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【リスタートから1ヶ月後】2013.05.20
ドリップポットリスタート_1ヶ月_1

一週間後からの色変化は余り大きくは有りませんが、
赤褐色の色味が少し深くなっています。

ドリップポットリスタート_1ヶ月_2

ただ、色ムラは起こらず、きれいに灼けている様子が分かります。

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リスタート以降で心掛けていること

●外側が濡れたら布巾などで拭く。
●油を付けないようにする。
 (油を使った調理をする場に近づけない。その場からは避難させる。)
●1日の終わりには、スポンジに食器用洗剤をつけて洗う。
 (手に付いた油汚れ、油煙などで汚れている場合もあります。
  1日に1度は全体を洗うことにしました。)

意外と当たり前のことなのですが、
これを守ることだけを決めごとにしました。





◎「銅のドリップポットを育てる 〜十二ヵ月の記録_2」につづく




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